相続税基礎知識に関するコラム
相続における戸籍の役割
相続が発生した場合、被相続人(亡くなった人)の相続税申告や財産の名義変更など、相続するための手続きを行うため、戸籍謄本等を各機関へ提出します。
その際、被相続人の死亡日以降に取得した戸籍謄本等が必要となります。
なぜ?
戸籍謄本を提出する理由として・・
- 相続人(法定相続人)の確認
→被相続人の死亡時における法定相続人は誰であるかを確定させます。
- 被相続人の名義遺産を受取る相続人の当事者であるか明らかにする
→遺言で遺産分割の取り決めなどない場合には、遺産分割協議を行います。
相続人全員で被相続人の名義遺産を、どの相続人へ分与、名義変更を行うかなどを明確にするため、「遺産分割協議書」を作成します。
その際、戸籍謄本により確定された法定相続人全員で協議、署名・捺印(実印)する必要があります。
また、遺産分割協議書にある各法定相続人の捺印が「実印」であることを証明するため、別途、「印鑑証明書」を提出しなければなりません。
戸籍は、結婚による分籍や転籍、戸籍の改製などにより、出生から死亡まで複数種類の戸籍謄本、除籍謄本が存在する場合があります。
平成6年戸籍法の改正により、手書き(縦書き)から、コンピュータ化(A4判横書き)となり、戸籍事項欄に記載の「改製日」から、戸籍を遡っていく際、前の戸籍へのつながりが明確になりました。
しかし、転籍後の「戸籍事項欄」には最終転籍事項のみ記載され、それ以前の転籍に関しては記載がありませんので、すでに婚姻や死亡により除籍となっていた事項は移記されておらず、コンピュータ化前の改製原戸籍を取得し確認する必要があります。
被相続人の出生から死亡までの戸籍の確認は、その戸籍には「いつからいつまでの記載がされているのか」に注目し、順に連続して遡っていく必要があります。
婚姻により除籍された「除籍謄本」
戸籍の改製により消除「改正原戸籍」
死亡により除籍された「除かれた戸籍の全部事項証明」